八木和彦 Gallery

作品集「郷愁 ―こころのふるさとを求めて―」

←Gallery目次へ戻る

八木和彦 公式website topへ

夢 ―異世界への郷愁―

  • 春の庭でⅠ
  • 春の庭でⅡ
  • 裏の空き地で
  • 病院の庭で
  • 春夜の朧
  • 奇しき葡萄の木
  • どんぐり拾い
  • 妖精たちの住む場所
  • 五月の幻
  • 写生の時間
  • 秋 校庭の片隅
  • 二人の妖精
  • 旅立ち

Prev

Next

春の庭でⅠ

庭は、私の最も近くにあって
自然の神秘を感じさせてくれる場所でした。
幼かった頃の私は、
草花の葉陰や、生い茂る木々の枝葉の向こうに、
何か別の世界への入り口があるように感じました。

  • 2008~2009
  • 水彩,色鉛筆・紙
  • 10.0×14.9 cm

春の庭でⅠ

春の庭でⅡ

庭の木々の
それぞれに曲がった枝葉が交差し、
入り乱れ重なった空間の奥…

雨どいの下、小さな草の間にある小石の陰…

透き通った水が流れる、
メダカやザリガニのいる小川のほとりに生い茂った
雑草の陰や小川の中の石陰…

幼い私は、そんな場所に、
別世界への通路があるように感じていました。

  • 2008~2009
  • 水彩,パステル・紙
  • 12.6×8.7 cm

春の庭でⅡ

裏の空き地で

4才の頃、
当時中学生の叔母が持っていた学習図鑑の中に、
恐竜の絵を見つけたときには、大きな衝撃がありました。
とても恐ろしかったのですが、
それなのに私はその姿に魅了されてしまいました。
そして夢にも出てきました。

当時私の家の裏には埋め立てられた空き地があり、
その向こうのれんげ畑が湖になっています。
そこにたくさんの恐竜がいて、
小さな私はその恐竜たちにえさをやっています。
ただそれだけの夢ですが、ある時とても描きたくなりました。

恐竜たちの姿は、研究が進むにつれて、
私が小さかった頃とはずいぶん違ってきましたが、
夢の中の恐竜は、図鑑に載っていた
ピーボディ自然史博物館の恐竜図がベースになっています。

  • 1993
  • 鉛筆,クレヨン,水彩・紙
  • 12.2×21.8 cm

裏の空き地で

病院の庭で

これも4才の頃に見た夢です。
当時母が看護師として勤めていた病院の中庭に
よく遊びに行っていました。
その庭の池から、
首長竜のような大きな生き物が突然現れ、
近くにいた大人の人が食べられてしまいます。
その後生き物のおなかに大きな穴ができて、
私はそこに呑まれてしまいます。
内部は口の内側のようにぬめぬめしていてやわらかく、
すべって外に出ることができません。
弟は外で泣いています。
…当時私は一つ下の弟に対して
つらく当たることが多かったのですが、
この夢はそんな私の自己処罰なのかもしれません。

  • 1993
  • 鉛筆,クレヨン,水彩・紙
  • 22.5×17.1 cm

病院の庭で

春夜の朧

うちのうらのちしゃの木に
雀が3匹とまって
ほろりほろりと泣かしゃるわ
なんでそんなに泣かしゃるぞ…

祖母がよく歌ってくれた子守歌の一節です。
小さかった頃の私の心には、
この絵のようなイメージが浮かんでいました。

夢うつつで見た、春夜の幻です。

  • 2001~2008
  • 水彩,パステル・紙
  • 41.0×30.6 cm

春夜の朧

奇しき葡萄の木

1994年、
神戸の中山手カトリック教会を訪れたときに
浮かんできたイメージです。
「奇くしき葡萄の木」とはキリストのこと。
古いカトリック聖歌集の中にある歌の題名です。

  • 1994~1995
  • 水彩,クレヨン・紙
  • 43.4×32.3 cm

奇しき葡萄の木

どんぐり拾い

2000年の11月30日、
私の子ども2人(左側の2人)と、
お隣の子もいっしょに、
家の南にある八幡神社に
どんぐり拾いに行きました。
本殿の後ろの方に古い木がありますが、
その木の虚うろに木の精というか、妖精というか、
確かにこんなのがいるような気がしました。
子どもたちが近づいてくるので、
見つかりはしないかと緊張しているのです。

  • 2002~2003
  • アクリル,油彩・キャンバス
  • 65.2×90.9 cm

どんぐり拾い

妖精たちの住む場所

つつじは、
花だけでなく、
葉の緑も柔らかく、
木自体が美しいと思いますが、
その入り組んだ枝葉の間から根もとをのぞき込むと、
そこにもひとつの世界があります。
妖精たちが住んでいるのは
こんな場所だろうと思います。

  • 1993~1997
  • 水彩,クレヨン・紙
  • 25.7×36.3 cm

妖精たちの住む場所

五月の幻

白昼夢のように明るい五月。
つつじの木の下にある隠れた空間に
人知れず息づく、春の命…。

これは庭の一隅を飾る彫刻作品の
構想図を発展させて
絵にしたものです。

  • 1997~2009
  • アクリル,油彩・キャンバス
  • 80.3×60.6 cm

五月の幻

写生の時間

高校で勤めていたとき、
毎年5月頃に、
「妖精たちの住む場所」というテーマで
美術の授業をしていました。
校内で妖精(あるいは妖怪)がいそうな場所を見つけて、
そこにいそうな妖精(あるいは妖怪)を加えて
その場所を描く、というものです。

女子生徒2人が、妖精を探して、校内を散策しています。
妖精たちに見られているとも知らずに…。

  • 1998~2009
  • 水彩,木炭,パステル・紙
  • 48.4×36.2 cm

写生の時間

秋 校庭の片隅

「草葉の陰から」などと言いますが、
草むらの中には、
本当に別世界 ―あの世― への入り口がありそうです。
妖精は、
そんな身近な自然の背後にある世界と、
この世とを結ぶ存在なのかもしれません。

  • 1999~2000
  • 水彩,クレヨン・紙
  • 17.5×6.9 cm

秋 校庭の片隅

二人の妖精

春、道ばたなどに咲いている
小さな青い花ベロニカ(オオイヌフグリ)は、
私の最も好きな花です。
あの青い色は、
しばらく見つめていると、
吸い込まれてしまいそうな、
不思議な気持ちになります。
その花を愛でる二人の妖精です。

  • 1993
  • 水彩,クレヨン・紙
  • 13.9×20.6 cm

二人の妖精

旅立ち

これは、私の母が17歳の時に見た夢です。
夢の中の母は7~8歳の子どもになっています。
西隣の家の庭で友だちと遊んでいると、
「誰かが呼んでいるよ」と一人の友だちが知らせに来ます。
道路に出ると、北の方から、
真白の衣服、真白の長いあごひげを生やした人が
笑いながら手招きをしています。
互いに近づき、互いに何も言わず、でもこの上ない慈しみをこめて、
その人は母を軽く抱きしめてくれます。
熱い思いが胸いっぱいこみあげるのを感じながら、
何度も振り向きつつ友だちの中に帰る母…
そして幾日かの後、また「この前の人が来ているよ」と知らされます。
そのようにして3度目に会ったとき、
その人は軽く頬ずりしながら言いました。
― 「旅の支度をしてきなさい」 ―
家に帰って急ぎ旅支度をした母は、
近くの水路にかかる小さな橋の上でその人に会います。
「どっちへゆくの」
母の問いに、その人は無言で南西の空を指差します。
一緒に歩き出したところで、母は目覚めたと云います。

小さい頃から何度も聞かされて、
まるで自分が見たもののように心に残る、母の夢です。

  • 2005~2008
  • 水彩,色鉛筆,パステル・紙
  • 13.4×15.0 cm

旅立ち

作品集「郷愁 ―こころのふるさとを求めて―」

  • 1. 思い出Ⅰ ―永遠への憧れ―ギャラリーへ
  • 2. 夜の風景 ―闇と光のなつかしさ―ギャラリーへ
  • 3. 身近な人・物・風景 ―日常に潜む郷愁―ギャラリーへ
  • 4. 夢 ―異世界への郷愁―ギャラリーへ
  • 5. 宮沢賢治の世界ギャラリーへ
  • 6. 永遠 ―「時間を超える」ということ―ギャラリーへ
  • 7. 思い出Ⅱ ―永遠につながる瞬間―ギャラリーへ

←Gallery目次へ戻る

八木和彦 公式webサイト TOPへ

Copyright (C) kazuhiko-yagi.comAll Rights Reserved.