春来 大地のうた
2012年3月4日「大地のうた2」(東北応援チャリティ公演・於北島町立図書館創世ホール)プログラムの最後『光と風の舞い「春来」』を見させていただいているとき、この絵のような風景が実際の舞台風景と重なって心の中に見えてきました。
インド舞踊の亀本美砂さんとAtoa.(仙台の和太鼓の奏者 高橋勅雄氏・亮氏)のお二人が、妖精のような大きさになって被災地の野辺に咲くなずなの前で踊ったり、太鼓を叩いたりしていて、そのうしろには津波で壊された家々、流された船や瓦礫が見え、さらにその向こうには静かな海が光っていました。
空は青く曇っているのですが、雲間からは日の光が注がれて、それらすべてをやさしく包んでいました。
そして、何故かその風景は、私の心を強く打ったのです。
未曾有の犠牲を強いられた東北の大地がよみがえり、高らかに希望の歌を歌っているように感じられたからです。
新たな世界はここから始まる、と言っているようにも感じられました。
被災地の方々のために少しでもお役に立つことがしたいと思いながらも、被災地を訪れることもできなかった私にはこのような絵を描く資格はない、という気持ちも起こりました。
けれども感動を伴って見させていただいたこのビジョンを絵にすることは、「祈り」の一つの形ともなるのではないかと思い、とにかく形にしてみました。
2013年3月3日「大地のうた3」会場ロビーに展示させていただきました。
- 2013
- パステル・紙
- 72.6×51.4cm(B2)